社内SEの転職について徹底解説!

社内SEへの転職を検討しているあなたに伝えたい6つのアドバイス

折乃 杏

インフラエンジニア/ヘルプデスク(COBOLも経験あり)/ボールド歴3年

IT関連職種の中でも比較的ホワイトな職種といわれる「社内SE」ですが、「Withコロナ」の世の中で、さらに希望者が増えているようです。しかし社内SEにさえなればすべてがうまくいくわけではありませんので、安易に社内SEを選択してはいけません。会社の業種によって異なる部分が多いうえに、嫌になってもこのプロジェクトが終われば離れられる、というわけにはいかないのが社内SEです。同じ会社にいる人たちが相手なので社内事情としていろいろ察してくれる部分も多く、顧客相手のシステム開発やサポートよりは気持ちが楽な部分があります。しかし、社風になじめない、想像していた環境と違う、ということで、せっかく社内SEに転職したのに、別の道への転職を選んでしまう方がいるのも事実です。これから社内SEに転職しようかな、と考えている方のために、そもそも社内SEとはどんな仕事なのか、転職するために必要な準備や、気になる年収など解説していきたいと思います。


1.ところで「社内SE」は何をするSEか

一言でいえば、社内SEとは「その会社が決めた社内SEがやるべきこと」が、仕事内容です。

例えばプログラマーで採用されて「まったくプログラム作りません」ということはありませんが、社内SEで採用されて以下のような作業を行うことはあります。

  • 毎朝ホストから出力される帳票を部署別に分けてメールボックスに入れる(すべて手作業)
  • 毎月各支店の通信費を確認して伝票入力をする(ちょっと事務っぽい)
  • 機器の設置、または移設作業(力仕事)

もちろん、インフラ構築、社内システムの更改、新機種の検討、提案、IT関連機器の購入手配など担当する場合が多くありますが、詳細は会社によってさまざまです。

1-1.企業形態による「SE」の違い

「SE」という職種は、所属する企業形態によって仕事の内容が大きく異なってきます。

  • SIer企業のSE
  • SES企業のSE
  • 社内SE

以下に主な特徴をまとめました。

SIer(エスアイヤー/エスアイアー)企業のSEは、システム構築というプロジェクト全体を仕切る役割を担う会社のSE、という立場です。打合せやシステムの状況確認などで顧客へ訪問することはありますが、基本的には自社で作業を行います。大規模なシステムの場合はシステムの一部を外部に発注し、連携してシステムを構築します。

SES(システム・エンジニアリング・サービス)企業のSEであれば顧客に常駐しての作業となりますので、一緒に仕事をするのは他社の社員(顧客の社員含む)の方が多くなりますし、プロジェクト完了までは常駐先へ通うので「自社に入ったことは数えるくらいしかない」という方もよくいらっしゃいます。

社内SEは自社内で作業を行い担当業務は各社様々です。社内システムのサポート、といっても自社システムの開発も行う場合とそうでない場合(開発のみ外注、パッケージ利用など)ベンダー管理の有無、社員へのIT利用に関する教育を担当していることもあります。

 SIer、SES、社内SEについては以下の記事もあわせてご参照ください。

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2.社内SEに向いている人、いない人

ある程度のIT関連知識とSE経験があればやっていけそうな社内SEですが、向き不向きもあります。次にあげる点についてご自分はどちらにあてはまるでしょうか。

2-1.向いている人

  • 相手のレベル感に合わせた会話ができる
  • IT以外の分野にも興味がある

社員のIT知識レベルは、まさにピンキリです。社内SEはヘルプデスク的な業務も担当しますし、他部署と連携する際にも、相手がわかるように説明しなければなりません。普段使っている用語をざっくりでも説明できるかどうか、そういったことを面倒くさいと思わないか、です。また、社内システムはその会社の本業にかかわるシステムであり、利用するのは自社内の部門です。当然、業務知識として習得しなければならない部分がありますので、会社がかかわる業界とその業務に興味が持てる人は、その会社の社内SEとして働きやすい環境となります。

2-2.向いていない人

  • 最新技術を常に追いかけたい
  • 〇〇のことだけやりたい、という限定タイプ
  • 自分の仕事はここまで!とドライに切るタイプ

社内SEは自社で利用するシステムの安定稼働が必須要件ですから、SIerやSESのSEほど、新しい技術を追いかける必要はありません。また、一度システムを導入してしまえば、そう簡単に入れ替えることもありません。現在利用しているシステムを把握し、社員の利便性を向上させなければならないので、どちらかといえば導入後に利用状況を調査・ヒアリングする、トラブルがあれば原因を調査する、といったことが多くなります。また担当分野が幅広いため「ネットワークのことだけやりたい」「開発だけやりたい」というような「これだけやっていたい」という方にも向いていません。そして、これは「良くも悪くも」という点ですが、会社間の仕事であれば、ここまでです!ときっぱり言える部分が、社内ですと少々ゆるい場合が多々あります。そういったことが許せない方にはストレスがたまります。


3.社内SEへの転職を検討中のあなたにおくる6つのアドバイス

社内SEに転職したい理由で多いものは、「残業が少なそう」「相手は同じ会社の人だし何とかなる」「休みをとりやすい(またはプライベート含め予定がたてやすい)」の3点ですが、どの会社の社内SEもこの通りであるはずがありません。転職してから後悔しないために、次の6点をあなたの転職成功へむけてお伝えしたいと思います。

3-1.「募集要項」で必ず確認しなければいけないこと

その会社が何をメインにしているかで付加される内容が変わりますので、会社の主力業務と、それに関わる知識が必須かどうかを確認しましょう。「〇〇の業務に興味がある方」という記載がある場合は、今はその知識がなくても入社後に覚える必要がある可能性大です。

 ◆募集要項では以下をチェック

  • その会社の主力業務
  • 何をやるのか/何人でやるのか-特にあなたと同じことをするメンバーが何人いるか。
  • 前提条件(学歴・年齢)-「20代30代活躍中」と書かれている場合は大抵その年代が「意中の人」です。
  • 勤務地-本社と別場所の場合があります。(またはテレワーク)
  • 転居を伴う異動があるか-これから業務拡大のために採用するケースがあります。
  • 福利厚生-保険、年金、各種制度など、あなたの希望する要件がそろっているかチェックしてください。

3-2.自分のスキルの棚卸をしよう

社内SEとして求められるITスキルは募集会社によって様々です。であるからこそ、自分のSEとしての強みや経験を書き出してみてください。募集要項に記載された業務の、どの部分に自分経験が活かせるかあてはめてみましょう。

  • △△システムの経験がある(人事・給与・会計・工場・販売・教育、など)
  • IT系以外の資格がある(会計・法務・語学系など)
  • その会社の業界で働いた経験がある(バイトでも可)

後述しますが、コミュニケーション力が問われる職種ですので、ヘルプデスク業務を行っていた方は対応中に配慮していた点なども書き出してみましょう。

3-3.「社内SE」の担当業務を把握しよう

社内SEは、その会社が「これは社内SEがやること」と決めたことが担当業務です。共通点は「IT関連機器っぽいものは面倒をみる」ということくらいで、そこに何がプラスされているのかは会社次第です。よくあげられているものは以下の5つです。

  • 社内システム、ネットワークの保守(社内ヘルプデスク業務を含む)
  • 社内システムの企画、開発
  • IT資産の管理(調達含む)
  • 新技術の導入検討
  • 社内外向けホームページの更新

※英語、中国語などを必要とする場合もあります。

ここにその会社の主力業務にかかわる要素が加わると、たとえば工場のFA化や、最近ですとIoT機器を利用したシステムのサポート(あるいは新規導入)、テレワーク推進やプロジェクト管理などが追加されます。

社内SEの担当業務は各会社で異なる内容ですので、募集要項に書かれている内容をもとに面接時に詳細を確認してください。質問内容が思い浮かばなければ、現在業務を担当している方の平均的な一日のスケジュールや、毎年のイベント(期末には必ずこれをする、など)を伺って、そこを糸口に今回の募集要項に関連する事項を質問してみると良いでしょう。

3-4.社内SEに応募する側が勘違いしていることがある

業種は何であれ応募するのはIT系なのだし、募集要項に書いてある内容も十分理解できるし、これはイケる!と思っても、先方が思っていることと乖離している点がいくつかあります。

3-4-1.取得資格はあまり重要視されない

まず、資格はそれほど重要視されないという点です。先方がIT系企業ではない場合、まず社内の推奨資格としてIT系の資格が上がっていないことがほとんどなので「Oracle Master Gold持ってます!」と言っても「ホウホウ」の一言で終わってしまう場合もあります。取得資格をアピールしたくても、先方の興味はそこには無いのです。興味があるのは「仕事への積極性」「他のメンバーや他部署ともうまくやれそうか」「今まで何をしてきたか」「うちのシステムを理解できそうか(理解するだけのIT知識があるか)」というような点です。ですので、資格をアピールポイントとするならば、ざっくり取得レベルを説明できるようにしておきましょう。セキュリティ関連資格は比較的理解されやすい資格です。

3-4-2.社内SEは永遠ではない

IT企業ですと顧客から受注してナンボですのでSEが会社からいなくなるということはありませんが、社内SEの場合、社長が一言「情報システム部(社内SE)の仕事はアウトソーシングすればいいよね」とでも言えば、解散・または子会社化です。ITが本業ではない会社では、今までいた社内SEがいなくなると大変なことになる!とは、あまり思われていません(いきなり全員いなくなることは滅多にありませんが)その時の管理職の考え方次第で社内SEという存在が無くなり、ほかの部署に転属、またはIT関連以外の業務を兼務するという可能性はあります。

3-5.社内SEを採用する側も勘違いしていることがある

採用する側(企業)も勘違いしていることがあります。それは「〇〇がわかるなら、▽▽も知っているはず」という思い込みです。理由は2つあります。単純にそう思い込んでいる場合と、自分たちがそうだから、という場合です。極端な例としては「Javaできるんだ。だったらExcelも大丈夫だよね」とか「ネットワークトラブルシューティングできるなら経理システムの担当できるね」など、それは一体どういう関連が?と思える勘違いが時々発生します。社内SEは系統立てて学習する、というよりも、社内で必要な知識を習得していくので外部から見ると全く関連が無いように思えることでも先方にとっては結びつきが深い事柄であったりするのです。面接時にどんどん質問して詳細を確認しましょう。

3-6.仕事は自分で開拓しよう

社内SEは既存システムのお守りをしつつ他部署から依頼があったら仕事をすればいい、と思っていませんか。それは大きな間違いです。その会社の専属システムエンジニアとして利用しているシステムの内容や社内環境を把握したうえで、どうしたら各部署の負担が減るか、などの改善提案を求められる部署です。これは各部署の業務内容や年間スケジュール、さらには人事異動についても把握しておかないと、かなり的外れな意見を披露してしまうことになるので、常日頃から情報収集は怠れません。「ネットワーク管理しかやりたくない」「他の部署に興味ない」というような「これだけやりたい」というタイプの方には、SIerやSES企業をお勧めします。(入社時にその希望がかなったとしても3-4のように異動の可能性があります)


4.社内SEへの転職を成功させるには

以上をふまえて、ここからは社内SEへの転職を成功させるためのポイントをご紹介しましょう。

4-1.社内SEにとって資格より必要なスキル

どこでも必ずあげられていますが「コミュニケーション力」は必須です。同じ会社で働く人のためのシステム環境を守っていくお仕事ですから、こちらの意図をうまく伝えることも必要ですし、相手の話を聞く力も必要です。テレワークが増えたことで実際に会ってお話をするよりもメールやチャットでのやりとりが増えていますので、これからは文章力も必要になります。明日から、他の方のメールやチャットで、この言い方(書き方)うまい!と思ったら是非ご自分のネタ帳に保存して有効活用してください。

4-2.その会社の本業に興味を持てる会社を選ぶ

「このブランド好きなの!」というほど強い思いではなくても、自社製品(あるいはサービス)に興味があるのと全く無いのでは、やはり気合の入り具合が違います。ここでポイントは、その会社の本業に関する知識があるかどうかではない、というところです。知識は無くても興味があれば、これなんだろう?という疑問がわきやすくなり、それを質問することで会社や業務知識の理解も深まり、いろいろな方との会話のきっかけにもなります。

4-3.社内SEに必要な資格はあるか

特定のIT系資格を必須条件としてあげている会社は、ほとんどありません。しかしSEとしての実務経験は求められる(あるいは歓迎される)ことがほとんどです。「未経験可」の記載で採用されるのは20代後半までと覚悟しましょう。必須資格はありませんが、たとえば自分の得意分野や興味のある分野で、自分の知識・技能のレベル確認のために取得しておく、というような前向きな姿勢をアピールすることは必要です。IT系ではなくても、あなたのこれまでの経験を証明する手段として、資格取得は有効です。


5.社内SEの待遇

「残業が少なくて給料が高め」という印象がある社内SEですが、そんな幸せな社内SE生活をおくるためには、以下の3点も重要なチェックポイントです。

5-1.勤務時間と残業代は要チェック

募集要項に勤務時間と平均残業時間は記載があっても残業代は別途全額支給されるのか記載が無い場合があります。支払われるものと思い込まずに、もし応募するなら残業代は全額支給なのかどうかを確認しましょう。みなし残業代(固定時間外手当、固定残業代とも表記されます)が設定されている場合、基本給部分と残業部分が明確に区別されていない会社は要注意です。

また、全社平均で残業時間が少なくても、情シス(社内SE)は異なる場合や、サーバ保守のために深夜待機、シフト勤務がある場合もありますので、必ず確認してください。

5-2.気になる年収

社内SEだから高い、または低いということはありません。ですが、社内SEはその会社の基準で年収が決まりますので、「給与基準が高い会社へ行けば高い」ということになります。社内SEだからといって特別に手当てがつく会社はほとんどありませんし(夜勤やシフトを除く)IT系資格に手当がつくのは、やはりIT系企業がほとんどです。業界によって差がありますので、知人・友人に聞きにくければ口コミサイトでチェックしましょう。外資系企業の方が高めの募集となっていますが、日系企業よりもシビアに成果を期待されます。そして、これは外資系企業面接時の話ですが、前職の給与明細の提出と各項目について説明を求められる場合があります。(〇〇手当、職能給などの意味やしくみなど)現在の給与明細で自分が説明できない項目があれば是非在職中に確認しておいてください。

5-3.福利厚生

会社として制度があれば当然利用可能です。社内SEだから利用できない(またはその逆)ということはありません。自分が魅力を感じた制度については、面接時に社内の利用状況や評判をさらりと聞いてみましょう。


6.社内SEのこれから

ここ数年で社会環境にさまざまな変化があり、今後もこの変化が続くことが予想されます。今までアナログ的な手法で処理されていたものが、どんどんデジタル化されていますので、それに伴ってIT担当として人を雇う企業が増えるかもしれません。また、副業OKな企業も増えていますので、複数企業を掛け持ちする社内SE、という働き方も予想されます。

6-1.社内SEの技術力は低いのか

社内SEは単なる社内の便利屋で、IT関連の技術力がそれほど伸びないので次への転職が難しい、という人がいます。まず「便利屋」と思ってもらえるほどの知識や技術があるのかどうか、それを判断するのはあなたではなく仕事でかかわる相手の方です。社内SEの技術力は低い、伸びないと思う前に、例えば資格にチャレンジして自分を試してみるなど、自分で技術力を伸ばす努力をしているのか考えてみましょう。

また、社内SEとして活躍するために必要なのはIT知識だけではありません。経理や法務、語学など、武器となる知識は山ほどありますし、社内にある部署の数だけ「IT技術+何か」の「何か」を身につけやすい環境です。それは社内SEからさらに転職する際に十分プラスとなる知識ですので、総合的に見れば「幅広い分野で豊富な知識を持ったIT経験者」になれる、ということになります。


7.さいごに

「社内SE」には、良いイメージ(自分がやっていて楽しかった)しかないので、やってみたいと思う方にはお勧めしている職業のひとつです。もしかしたら、この会社に定年までいるかも、という勢いで転職先を選んでいただきたいと思います。楽しい理由のひとつは、小さなタスクでも無事に完了すれば依頼者の笑顔があなたを待っていることです。以前はさらにお酒もついてきたのですが、それは難しいご時世になってしまって残念です。

社内SEとして幸せになるためには、1にコミュニケーション、2に社内情報、3、4がなくて5にIT知識だと思っています(あくまで個人の見解です)どれだけITに詳しくても周りに伝えられなかったらおしまいです。実際、情シスのくせにこれも知らないの!?と言われながらも周りの話をよく聞いて部内で報告してくれるタイプの方が重宝がられていたりしました(若いうちだけですが)また、他部署の人は、あらたまった会議の席ではなかなか本音を言ってくれなかったりするので、日ごろからちょいちょい聞いておかないと面倒な事件が発生することもあります。そんなのめんどくさい~、と思わず、社内ですれ違った時に声をかけるくらいでもだいぶ話やすくなりますので、転職の暁にはぜひお試しください。

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